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音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

MIKU EXPO 北米ツアー 2016 ロサンゼルス公演に行ってきた(後編:入場〜公演中〜公演後)

HATSUNE MIKU EXPO 2016 NORTH AMERICA
MIKU EXPO 2016 ロサンゼルス公演(以下、LA公演)の感想、後編です。この後編では、入場してから公演中、公演後の様子を書きます。

前編へは、下記のリンクから飛べます。
MIKU EXPO 北米ツアー 2016 ロサンゼルス公演に行ってきた(前編:前日〜ライブ開場前)

入場

VIP入場口で、持ち物検査。鞄の中身を係員に見せるのは、日本と同じなのだが、空港の金属探知機のようなゲートをくぐらされたのには、ちょっと驚いた。アメリカだとこれくらいの安全対策が当たり前なのかもしれない。
入場したら、パンフレットとVIP入場者向けの巾着袋、グロウスティック(ケミカルライト)をもらう。
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中には、MIKU EXPOの腕時計、プラスチック製VIPカード、ネックストラップが入ってました。
そしてホールへ入場しました。VIP入場者は、ステージの目の前にあるオールスタンディングのエリア、VIPブースに入場しました。

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このホールは、2011年に初音ミクの初めての海外公演「MIKUNOPOLIS」が開催されたノキアシアター(現マイクロソフトシアター)のホール。自分は、この歴史的な公演をネット生中継で見たし、ライブCDも聴いたし、ライブDVDも見た。当時、現地へ行くかどうか迷って、結局行かなかった事を後悔したりもしている。それから5年度、その会場をやっと訪れる事ができた。そう思いながら、感慨深く会場をぐるりと眺めた。


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ノキアシアターは音響が良いという話を聞いたので、ステージ上方にある音響設備をチェックしたりした。
自分は MIKU EXPO 日本ツアーのTシャツを着てたのですが、現地の人に日本から来たの?と聞かれたりもした。

オープニングアクト

オープニングアクトは、チップチューン・エレクトリック系のインストロックバンドのanamanaguchi。30分程度のステージでしたが、ノリの良くて心地良いエレクトリックなサウドが楽しかった。
この時点で、このホールの音の良さが分かった。音圧が高くなく、どの楽器の音も綺麗に鳴って聞こえる。

開演

そして、いよいよ本編。初音ミクのステージが始まった。
オープニングの音と映像が流れて、初音ミクが登場。1曲目はワールドイズマインから始まる。この流れは、日本ツアーと同じ。そして、周りの観客の歓声も日本に負けないくらい大きかった。

日本から来た一人として、周りの観客のペンライトやコールを先導することを最初は少し考えていたけれど、周りの観客の様子が分かってくるにつれて、それは考えない事にした。ガチな現地ファンが最前列で先導しているようだったし、周りの観客も思い思いにペンライトを振ったり、歓声を上げて楽しんでいる。先導役をする必要も無かった。
自分は、海外での初音ミクのライブを楽しむことに集中することにした。お気に入りのボカロ曲、ステージの上のパフォーマンス、バンド演奏の音、周りの観客の盛り上がりを、精一杯楽しむ事にした。
VIPブースの後方はそれほど人が密集せず、周囲に余裕があった。少し傾斜があって、後方は少し高くなっており、ステージも見えやすかった。初音ミクが歌う姿もバンドメンバーも見える場所で、音に合わせて好きなように体を動かせて、お気に入りの曲を良い音で楽しめて、それをみんな一緒に盛り上がりながら楽しめるという、素晴らしい状況だった。音楽に合わせて腕とペンライトを振り、声を上げ、時には跳ねたりして、このライブを思いっきり楽しんだ。


序盤

ここからは、印象に残った演奏と会場の様子について書いていきます。
最初「ワールドイズマイン」に続いて「初音ミクの消失」「表裏ラバーズ」が演奏される。会場がすっかり温まったところで、初音ミクのMCが「ハイ、ロサンゼルス」と始まり、会場も歓声で答える。ミクの「こんにちはー」にも「コンニチハー」と答える。日本語の発音が少々英語寄りなのを除けば、日本と変わらない受け答え。
「アンハッピーリフレイン」「ワールズエンド・ダンスホール」とwowakaさんのアップテンポな曲の後に、ミドルテンポの「magnet」が続いた。
そして「Weekeder Girl」。個人的にパンジー衣装がお気に入りの曲。日本で見た映像と同じはずなのに、ノキアシアターに立つパンジーミクさんを目に焼き付けなくてはと思い、ペンライトを振りながらステージをじっと見てました。
続いて「深海少女」。日本ツアーのセットリストには無かったが、北米ツアーで加わった曲。曲も衣装もお気に入りの曲なので、北米ツアーで演奏するという事前情報を知り、個人的にLA公演で楽しみにしていた曲。VIPブースのペンライトも一斉に青へ変わる。周りのペンライトの振りやコールは完全に日本のライブと同じ。サビ前やサビでは思いを込めてペンライトを振り、コールした。大サビの盛り上がりに感激した。

中盤:KAITOMEIKO・リン・レン・ルカの登場

中盤から初音ミク以外のキャラクター達も登場。

「スノウマン」で、KAITOが登場。この曲は、ギターソロが聴き所だと思っています。ソロ後半でKAITOの歌声が重なるのも素敵。それがノキアシアターの良い音で聞けたのが良かった。

「Change me」で、MEIKOが真っ赤なドレスで登場。背中が大きく開いて、ミニスカートから素足が伸びるセクシーなドレス。登場したときに、どこからか「ヒュウ」と口笛を吹くような声が聞こえた。うんうん、このMEIKOさんすごくセクシーで素敵だよね。エレクトリックでビートが強いのも魅力的な演奏でした。

「東京テディベア」で、鏡音リンが登場。この曲はオルガン(キーボード)の音がカッコいいのだけど、このホールの音の良さで、その魅力が増した気がした。自分も力の限り腕を振り上げて(ペンライトを持ちながら)、熱い演奏に応えました。

「リモコン」で、鏡音リン・レンが揃ってステージに立った。オープニングで歌詞「LRLR」に合わせて、黄色やオレンジのペンライトが激しく左右に一斉に振られる。ライブではこの曲は昨年のマジカルミライでやったばかりの比較的新しい曲。それでも、この観客のペンライトの統制っぷりに感激した。君たち、どこでそれを覚えて来たんですか?と聞きたくなる。曲中に鏡音レンがアクロバットしたときに歓声が上がる。観客も一挙一動をよく見ている。

巡音ルカが登場して「Just Be Friends」。海外でも人気だというこの曲。ピンクのペンライトが左右に振られる。もちろん、ステージ上のルカさんが腕を左右に振るのに合わせている。これは、ステージ上にルカが存在しているかのように観客達が反応しているということ。日本のライブでは見慣れた光景だけど、この光景が海の向こうでも見られるなんて、素敵である。

終盤:バンド紹介から最後の曲まで

「Just Be Friends」のあと、バンド紹介に入った。映像でバンドメンバーの名前が紹介され、メンバーが順番にソロ演奏をする。そのたびに観客からも歓声が上がる。ここは日本から来た自分の役目だと思い、キーボードのMEG.MEさんと、ギターの三沢さんの時には名前を叫んだ。
バンド紹介の後に「秘密警察」が続く。速いリズムを刻むドラムと、オルガンの音が響くキーボードがカッコ良かった。「初音ミクの激唱」では、天使の羽根を広げて浮き上がるミクさんに大きな歓声があがった。

「積乱雲グラフィティ」は、日本ツアーで初めてライブでやった曲。ステージ上をクルクルと回るミクさんと、サラサラなツインテールが見どころ。この曲も好きなので、また見られて良かった。

「Tell Your World」は初音ミクの代表曲。何度もライブでやった曲だけれど、気持ち良さそうに高音を伸ばして歌うミクさんが素敵だなあと、盛り上がる観客の中で思ったりしていた。

本編最後の曲は「Blue Star」。今年のMIKU EXPOのテーマソング。この歌を聞いてると、歌詞がまさに今のことを歌っているように聞こえた。
「色も言葉も混ざり合って 今ひとつに」「時間も距離も飛び越えて 繋がっていく」ああ、日本から海の向で初音ミクはライブをしているし、自分もそれを見に来ている。「この瞬間 この場所は もう2度と来ないから ココロをひとつに」ああ、まさに今この瞬間、この場所のことだ。そう思うと、目頭が熱くなった。

アンコール

初音ミクが退場し、演奏も終わり、バンドメンバーも退場すると、観客からアンコールが始まった。最初は「アンコール!アンコール!」という声でしたが、しばらくすると「ミーク!ミーク!」に変わった。

バンドメンバーとして、オープニングアクトを務めたanamanaguchiが登場。これは、日本ツアーにはない北米ツアーだけの特別なアンコール。そして初音ミクが再び登場すると、「Sharing the World」の演奏が始まった。この曲は2014年のMIKU EXPOのテーマ曲。2014年はロサンゼルスとニューヨークで公演をしているので、当時ここでこの曲を聞いた観客もいたことでしょう。前奏で初音ミクが手を振るのに合わせて、観客もペンライトを左右に振る。観客の反応も素晴らしい。

続いて、anamanaguchiが作った初音ミク曲「Miku」が演奏される。MIKU EXPO 2016の公式CDにも収録されていたこの曲を、作曲したanamanaguchi自身が生演奏し、初音ミクと共演。北米ツアーだけの特別な演奏だった。

続いて「39」。サビでは、観客も合わせて「39!」と叫ぶ。バッチリでした。最後の大サビでは、「39砲」と呼ばれるテープ射出演出があり、銀色のテープがVIPブースの上に降った。

ダブルアンコール

「39」の後、初音ミクとanamanaguchiのメンバーが退場。「アンコール!」「ミーク!」「モウイッカイ!」と、なかなか観客のコールが揃わない状況がしばらく続いた後、初音ミクが登場。
キーボードがステージ上に現れ、初音ミクがその椅子に座る。観客から歓声が上がる。初音ミクが「シーッ」というジェスチャーをすると、観客も静かになった。日本ツアーでも同じ光景がありましたが、海の向こうでも同じ光景が見られるとは。

そして、初音ミクが自らのピアノ弾き語りで「星のカケラ」を歌い始める。マイクロソフトシアターに響く初音ミクの歌声。その歌声の残響も聞こえた気がした。この場所だから聞ける音。

演奏後、初音ミクは一礼をした後「またね」と言って、光となって消えていきました。
その後スクリーンに「THANK YOU LOS ANGELS」と表示されると、大きな歓声が上がった。

終演後

その後、照明が戻ってホールが明るくなり、公演が終わったというアナウンスが流れる。アナウンスでは、「初音ミクを続けてサポートしてくれる事を願っています。また会いましょう。」と言っていました。
その後、VIPブースの前方で三本締めが始まった。日本の初音ミクのライブでは毎度見られる光景。それに習って、現地のファンが三本締めの音頭を取ったようだ。自分は少し出遅れたけれど、三本締めに加わった。

終演後、しばらくホールからは出ずに、39砲のテープを集めたり、名残惜しくて、BGMで流れる「Blue Star」に合わせてペンライトを振ってたりしていました。
そうしていると、英語で現地の男性に呼びかけられた。うまく聞き取れなかったが、聞き返すと「ライブ中たくさん叫んでたね」というような事を言われた。
これを聞いた時は少し嬉しかった。「ライブを盛り上げている日本人がいた」という認識を、現地の人に少しでも与えられたのであれば、はるばる日本から来た意味はあったと思ったので。

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会場の外へ出ると、多くの人達であふれかえっていた。

日本からの遠征組の人達を見つけて合流。現地の人と少し会話したり名刺交換したりした後、近くのレストランで打ち上げ。
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こうして、楽しい夜はあっと言う間に終わったのでした。

ライブ全体の感想:会場の音響について

ノキアシアター(現マイクロソフトシアター)の音の良さは、2011年のMIKUNOPOLISに言った人の感想やライブCDの音で聞いており、評判の音の良さを体感できるのが、今回の遠征での楽しみの1つでした。
バンド演奏なのに耳栓が不要なくらいの音圧で、全ての楽器の音がちゃんと聞こえました。当たり前の事かもしれませんが、プラグドなバンド演奏のライブでは、音圧で耳が痛くなったり、音のバランスが悪くて特定の楽器の音が聞こえないというのは、会場やPAによってはたまにある事です。
ホールの残響音を感じる音の鳴りも印象的で、ダブルアンコールの「星のカケラ」などでは、初音ミクの歌声の残響音に聴き入ったりしました。
音が良いと、本当に演奏を聴いていて楽しい。この会場で演奏を楽しむために、またここに来ても良いと思いました。

ライブ全体の感想:現地のファンについて

今回のロサンゼルス公演では、今までに経験した日本での初音ミクのライブで感じた熱さと同じものを感じました。ミクパ台湾で感じたファンの熱さも思い出しました。
ライブの盛り上げ方のスタイルは多少違えど、熱量は日本に負けてない。コール(特に日本語の歌詞)が少々物足りないけど、ペンライトは振ってるし、曲の始まりや終わりに大きな歓声は上がるし、絶叫に近い歓声を上げる女性もいる。
自分の左隣にいた現地の男性もペンライトを振って盛り上がっていて、自分もそれにタイミングを合わせてペンライトを振り上げ、一体感も感じた。終演後に彼に声を掛けられなかったのが、ちょっと心残り。

ライブ中だけでなく、ライブ前後でも、現地ファンの熱さを感じました。

  • 朝早くから会場周辺で並ぶ人達
  • 開場前の会場周辺で、グッズを並べて祭壇を作ったり、曲を流して踊ったりする人達
  • ボカロキャラのコスプレをした人達や、ボカロキャラをモチーフにした服装を着た人達
  • コスプレイヤーさん達がたくさん(40名以上)集まって撮影会
  • ライブ中に最前列の方で、ペンライトを高く掲げて、ペンライトの振りを先導しようとする人
  • ライブ中にMEIKOコスで盛り上がってたお兄さん。指にLEDライトを付けて手を振ってた人
  • ライブ後に日本から来た自分に声をかけてくれたり、名刺交換してくれたりした現地の人達
  • 初めての海外だとかそういうハードルを飛び越えて、ロサンゼルスまで来た日本からの遠征組の人達
  • ライブ後に、観客へのインタビューやライブ中の様子をまとめたレポート動画をYoutubeに上げる人達

ここロサンゼルスには、ボカロ・初音ミクを好きで、それぞれのやり方で楽しむ人達がたくさんいて、その熱量が大きいことを実感しました。2012年のミクパ台湾に行ったときにも、ファンの人達の熱さを感じたとブログに書きましたが、今回のロサンゼルスでも同じような熱さを感じました。4年前に感じた熱気がアメリカにもありました。
ボカロファン達の熱気が日本からアメリカまで続いている。それを実感出来たことが、今回の遠征で得た収穫でした。この熱気がどこまで広がるのか、いつまで続くのか、その行方を見守っていきたいです。