日替わり NAT’s Champloo

音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

キズナアイの声から生まれた #kzn の 初ライブ #kzn 1st live "play with me" をライブビューイングで見てきた

Vtuber キズナアイの声から生まれた CeVIO AI のソングボイスでありキャラクターである、歌唱特化型AI #kzn (キズナ)ちゃんの初ライブを見ました。

映像をネット配信するライブでしたが、映画館 109シネマズグランベリーパークでのライブビューイングもありました。

私は、ライブビューイングを見に行きました。新しく誕生した音声合成キャラの初ライブ、ボカロ・音声合成のファンとして、どんなライブになるのか、どんな観客がどれくらい集まるのか、自分の目で現地を見たかったからです。昨年12月に渋谷交差点で行われたXRライブ「NEWVIEW ULTRA XR LIVE」を見て、何か新しい事をやってくれそうな#kznちゃんに魅力を感じていたというのもあります。

結果的には、映画館の大きなスクリーンと綺麗な画質と大きな音でライブが見られて、それも良かったです。

ライブビューイング会場に入場

ライブビューイング会場、109シネマズ グランベリーパークに開場30分くらい前に到着。会場には、ライブビューイングの案内が見当たらず、ライブの観客と思われる人も見当たらない。ちょっと不安になったので入口スタッフに確認したところ、16:30から入場案内開始とのこと。

しばらくその場を離れて、開場時間に戻ってきたところ、ライブの観客と思われる人達が4名前後入口近くに集まっていた。私は詳しく知らないけど、帽子や鞄などに付けているグッズからキズナアイVtuberのファンと思われる人達。

しばらくして開場の案内がスタッフから口頭であり、チケットを見せて入場する。

劇場はシアター10で座席数64の小さめのもの。最終的には20名くらいが劇場に入り、半分以上が空席で、まばらに席が埋まっている感じ。客層はほとんど男性で、若い人が多いかなという印象。女性は1人くらい。私と同じ席の列には3名くらいで、隣との間隔も広め。

 

ライブ開演

席に座ってしばらくすると、スクリーンに開演時間までのカウントダウンタイマーが表示された。カウントダウンの映像が 0 になって始まったのは、オープニング映像。キズナアイのラストライブで #kzn が登場した話が、テキストで紹介される。

#kzn は「クリエイターとオーディエンスをつなげるハブ」であること、これから始まるショーは #kzn を中心に多様なクリエイターたちの手によって生み出された「絆」であること、これを見ているあなたとも「つながる(コネクトする)」というコンセプトが紹介された。

このコンセプトはボカロ文化の話と同じだなと思うと同時に、彼女の名前が「#kzn」とSNSハッシュタグのような名前なのは、そのつながるコンセプトから来てるのかなと思ったりした。

そんなオープニング映像に続いて、#kzn ちゃんのライブが始まった。VR空間に作られたスタジオの中央にステージがあり、その中央に #kzn ちゃんが立っている。背後や床は映像が流れるスクリーンになっていて、天井や床に設置された照明から、華やかなライティングが舞う。ステージの背後左右には、球状のスピーカーが積まれた柱が2つ。サイバーな雰囲気の空間だが、#kzn ちゃんが立つステージや照明を吊るすセットは無骨な鉄骨で作られており、絶妙なリアルさもある。

照明演出は考えられて作られているようで、絵的にも綺麗だった。背後のスクリーンや床面の反射で、#kzn ちゃんが逆光になったり、鮮やかなライトが空間を満たしたり、#kzn ちゃんがより魅力的に見える。

 

ライブ本編

1曲目は、システムが立ち上がるようなボイスで始まる「KZNIC World」。#kzn ちゃんの事を歌うような歌詞は、1曲目に相応しい。2曲目はクールな曲調の「DOGS」。そして3曲目は、渋谷交差点でのXRライブでもパフォーマンスされた「Movie Star」。

ここでMCパートが入る。画面に絵文字や文字を映すスタイルのMC。公式 Twitter アカウントでは言葉を使わず、絵文字や画像、動画を使ったツイートのみなので、それを踏襲したコミュニケーション。歌唱特化型ということで、言葉を話すのは苦手なのでしょうか。

4曲目はファンキーな「Rabbit⁉」。ボカロファン的には、可不ちゃんとflowerちゃんの歌声も入っているのが嬉しかったり。お洒落感ある「新京極コーヒータイムマシンブルース」に続いて、ポップでかわいいEDMな「AI Music」。キズナアイちゃんがこういう曲調の曲を歌っていたこともあり、こういう曲調は #kzn ちゃんにもよく合うと思う。

この曲のライブ映像は Youtube にも公開されているので、ぜひ見て欲しい。

youtu.be

感動的に歌を聞かせる「このままずっと」に続いて、ボカロック調の「ゴーストタウン・ゴースト」ではマイクスタンドが登場。マイクスタンドを前に歌う #kzn ちゃんはカッコ良かった。

和風ロックEDMな「CrazyxCutexNinja」では、ステージがサイバーな空間に変わり、ワイヤーフレームな壁や床が動きまくって、謎の光が舞う不思議な空間。

XRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARDS 2022」受賞者が空間演出に携わるというプレスリリースがあったのですが、おそらくこの空間はその受賞者によって制作されたものなのでしょう。

prtimes.jp

続いてヒップホップ調な「idol」。半目で挑発的に歌う #kzn ちゃんを見ながら、キズナアイちゃんもこんな表情することがあったなと思い出したり。声だけでなく、表情や性格もアイちゃんから受け継いでいるようだ。

再びMCパート。「#kzn ちゃんに質問してみた」コーナーが突然始まる。好きなものは「歌」と答える #kzn ちゃん。自分のことはどう思っているか聞かれて、自ら「かわいい」と答えるところは、さすがアイちゃんの妹分。「人間になったら何がしたい」と聞かれて、思考が恐竜時代や宇宙に飛んでいくような映像に続いての答えは「おひるね」。観客席からは笑いが漏れた。

かわいいヒップホップ調の「赤色3号」、大人っぽいシティポップ調の「P!NKY AI」、かわいいEDM「New Way」と多彩な曲が続いたあと、空間が変わって、#kzn ちゃんは光に包まれたどこか生命を感じる空間で「Lyric Rack」を歌う。光に満ちた空間で、歌い上げるメロディパートと音に合わせて大きく踊るパートのコントラストが印象的だった。

再びスタジオに戻って、バラード調の「frosty」。まぶしい照明やディスプレイに包まれて歌う #kzn ちゃんは綺麗でした。

 

#kzn HOT NEWS

そして #kzn HOT NEWS なる映像が流れる。ここで CeVI AI ソングボイス #kzn の正式リリースがアナウンス。ライブ前にいつ発売されるのかなと気になってたので、この発表はちょっと驚いた。

ゲーム「Kizuna AI Touch The Beat」に #kzn 実装決定の告知に続いて、TVアニメ「絆のアリル」エンディングテーマとして、みきとPの曲を #kzn ちゃんが歌うとの告知。みきとPは好きなボカロPなので、この告知は嬉しかった。どんな曲になるか楽しみ。

 

ライブ終盤

コズミック感のあるポップス「Illiminate star」では、青基調の新衣装を着て #kzn ちゃんが登場。ここで新衣装お披露目ときましたか。ノースリーブな衣装にサイバーな雰囲気が、かわいくもかっこいい。

そして、ライブ最後の曲は「"Kizuna AI to AI" feat.キズナアイちゃんの声をひたすらサンプリングして歌わせてみた」。どこかで聞いた覚えがあるなと思ったら、sasakure.UKさんがキズナアイちゃんの声をサンプリングして歌わせた曲。

あとで音源確認したら、#kznちゃんがカバーして歌ったものではなく、sasakure.UKさんが発表したオリジナルの音源の方。つまりアイちゃんの歌声をサンプリングした歌声で #kzn ちゃんが歌っている。そこに込められた意味を深読みしてしまう。

 

ライブ終演

そして、制作に関わった方のクレジットが流れるエンドロールへ。BGMは感動的な曲調の「I'm AI」。各曲のタイトルや作曲者に加えて、振り付けやアクター、背景画像、ライブ制作のエンジニアの名前も流れる。所属がActiv8のエンジニアが目立ち、Activ8の技術力を結集して作られたライブでもあるのだなと感じた。

ライブビューイングの観客は、基本的に静かに見ていて、MCで少し笑いが聞こえたり、曲の終わりに控えめな拍手の空気を感じた程度でした。

でもエンドロールの映像が終わると、観客席からはっきりと拍手が沸き起こった。私も、この素敵なライブに拍手を贈った。

 

ライブ全体の感想

エンドロールも含めると全18曲の #kzn 初ライブ。Movie Star と Kizun AI to AI を除けば、全て #kzn ソングコンテストの受賞曲というセットリスト。オープニング映像で流れた、#kzn はクリエイターとオーディエンスをつなげるハブであるというコンセプトが、このセットリストにも現れているように感じた。

どの曲もYoutubeに公開されているので、まとめて聞けるように、セットリストの曲をまとめたリストも作成した。#kzn ちゃんは色んな曲調の歌を歌えることも分かる、多彩な魅力を持つ楽曲でした。

youtube.com

 

#kzn ちゃんの振り付けやダンスも、楽曲に合わせて可愛いものからクールでカッコいいものまで、多彩で魅力的でした。カメラワークも遠景から近くに寄ったり、周囲を回ったりと、#kzn ちゃんを魅力的に見せてました。それを映画館の大きなスクリーンで見られたのは良かった。最後の曲では、ガチ恋距離と呼ばれるほど近くまで寄ることも。

ライブ映像や演出も素晴らしかった。背景や床の映像演出、照明をたくさん使ったライティング、カメラワーク、どれもクォリティが高かった。どこでスクリーンショットを撮っても絵的に綺麗。さらに、スタジオから外に出た非現実的なVR空間のステージも、VR空間でのライブならではで良かった。

せっかくの高解像度で高品質な映像ですが、配信だと帯域不足で潰れてるところもあるようなので、BDとか高解像度で見られる形で販売しませんかね。

 

後日、#kzn 公式Twitterアカウントで、ライブのダイジェスト映像が公開されました。この映像からも、ライブの雰囲気は伝わると思う。

#kzn が紹介されたキズナアイのラストライブから 1年経ち、初ライブの日に、CeVI AI ソングボイス #kzn も正式リリース。この日から、 #kzn の活動が本格的に始まるのでしょう。その始まりにふさわしいライブでした。

これからの #kzn ちゃんの活躍と、次のライブに期待です。