日替わり NAT’s Champloo

音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

IA MUSICAL & LIVE SHOW「ARIA」公演に行ってきた

VOCALOD IAのライブ公演「ARIA」に行ってきました。

planetesaria.com

最初見た時の感想としては、予想以上のものを見た感じ。ライブでミュージカルでダンスショーでした。スクリーンの枠を越えて存在するIAとONEが動き、人間と一緒にダンスで共演する素晴らしいステージでした。

クラウドファンディングMakuakeで、1日目の第一部(初演)と第二部、2日目の第二部(千秋楽)のチケットを持っていたのですが、後方席からも見たいということで2日目の第一部も当日券で見たので、結局4公演全通することになりました。

会場の様子

会場は横浜にあるDMM VR THEATER。

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初演の開場前に着くと、Makuakeチケット引き替えと物販の2つの行列ができていました。

 

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敷地内の屋外の壁に、ARIA公演とアニバーサリーイベントのポスターが飾られてました。

 

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物販コーナーはIAちゃんとONEちゃんがお出迎え。

 

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物販コーナーの様子。レジは2つで、口頭で商品を1つずつ伝える方式だけど、皆さん沢山グッズを買うので、一日目の第一部までは会計に時間がかかってた。その後は、客も減って落ち着いた模様。

 

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その他、会場にあったもの。物販コーナーのメッセージボード、会場に送られたお花、受付のイラスト付き貼り紙。

 

ARIA公演

ARIA 公演は大きく4つのパートから構成されていました。私の理解では、こんな感じ。

  1. IAとONEが惑星ARIAで生まれ地球に来るまでのミュージカルパート
  2. 前回のライブツアーの続編にあたる「PARTY A GO-GO 2」ライブパート
  3. IAが観客を惑星ARIAにお連れするダンスショーパート
  4. IAが愛と平和と調和を説くパート

IAやONEの投影は、透過スクリーンが見えない、ペッパーズゴーストを使ったDMM VR THEATERの映像投影システムを使っていました。

vr-theater.dmm.com

このシステムにより、IAとONEを解像度とFPSを高く鮮明に投影し、人間のダンサーとの共演で人間より前に立ってでパフォーマンスしていました。まるで、IAちゃんとONEちゃんがそこにいて、人間と共演しているかのような実在感がありました。

仕組み的には、初音ミクのライブ「夏祭初音鑑」でも使われた、ペッパーズゴーストを使った投影システムですが、映像的にも高いレベルで、人間との共演にも挑戦しており、初音鑑を見た自分でも驚きのあるステージでした。

以下、公演の各パート(章)に分けて感想を書いていきます。

 

第1章:ミュージカルパート

おそらく、会場に来たARIAer(IA&ONEファン)が一番混乱したのが、第1章だと思う。IAとONEが惑星ARIAという地球外で生まれ育った精霊であること、7年前に地球にやって来たのがIA、4年前に地球にやって来たのがONEであることが、歌と踊りを交えつつ語られました。

これまでIAの登場から7年間、キャラクター設定がほとんど無かったので、独自の物語や設定を付けた創作も自由に行われてた所に、発表当初ボカロ界隈でざわざわされたLUMi以上のあらすじと設定が、ARIA公演の開始から突然落ちてきたのである。自分も含めてだけど、公演後のTwitterでは困惑するARIAerのツイートをいくつも見た。

このIAとONEが生まれて地球に来るまでの話が、ちょっと込み入ってて説明が難しいのだけど、地球が愛と平和と調和で満たす使命を持って、愛と平和に満ちた惑星ARIAからやってきたのがIAとONE、という理解で多分合ってる。これ以上は長くなるので、設定の話はここまでにしておきます。

話を公演に戻すと、最初の歌「HAVE FUN」で、鳥のような格好をしたリアルの男性が、IAとONE、2足歩行する映像のチーターと一緒に歌い踊る。IAちゃんとONEちゃんが立っている間に男性が入ってくる光景に、いきなり感嘆させられた。

印象的だったのが、地球のIAを案じてONEが歌い始める「ONE HEART」。ARIA姉妹の物悲しげだけど姉妹の絆を確認するようなバラード。途中、IAとONEが近付いたと思ったら、すれ違って立ち位置と背景が入れ替わる瞬間。そして最後に二人手と手を合わせる光景。2人の物理的な距離と、心の距離を表したかのような演出が印象に残った。

 

第2章:ライブパート

「PARTY A GO-GO 2」のライブパートが、自分的には一番楽しかった。

オープニングは「Conqueror」で、英語歌詞のダンスナンバー。IAちゃんをフロントに、6人のバックダンサーを従える。腕の動きとか7人全員ピッタリ合うダンスがクール。アニバーサリーイベントでもこの曲を披露された映像が、アーカイブ動画の1時間2分あたりから見られる。

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ONEの「ホロンボット」も良かった。背景の映像が、サイドスクリーンの映像や、会場の横の壁の照明と一体となって、会場全体がデジタルな空間にあるかのようだった。後半のパートの盛り上がりが半端ない。

「夜咄ディセイブ」は、IAとキッズダンサーのダンスが素敵で、少年少女が街の路地裏で踊ってるかのようだった。少年少女が主人公のカゲプロ曲をキッズダンサーが踊るのが良いのよね。そして、ギターとベースの演奏者が加わっての「チルドレンレコード」もテンション上がった。

「てるみい」は、やはりコール&レスポンスが楽しい。チアガール姿のARIA姉妹も可愛い。最後のサビでは、キッズダンサー達が客席の通路までやってきて盛り上げたり。初演は、観客もどう楽しめば良いか分からない空気もあり、観客を立たせる煽りもあったけど立つ人が少ない状況。でもこれは立たねばと、自分は意地で立ってペンライト振ってた。その日の2部からは、ライブパートの最初から立つ人も増えて良かった。

第3章:惑星ARIAパート

第3章では、IAが観客を少しの間だけ惑星ARIAにお連れしますと言って、緑に恵まれた惑星ARIAの風景にステージが変わる。そんな惑星ARIAを背景に、IAが白いワンピースで「Resonance World」を歌っているシーンが印象的だった。歌っているうちに、周りに花が咲きだして、衣装や髪飾りにも花が咲き始めて、白いワンピースが花のドレスになった。蝶々も止まったり。IAが女神か何かのよう…(精霊です)。

「HIGHER」も良かった。MUSIC VIDEOをそのままステージに持ってきた感があった。IAの後ろで子供や大人のダンサーが入れ替わり踊っていた。ダンサーの一人がボールを投げて、受け取ったIAちゃんがお手玉する演出、一瞬何が起きたか分からなくて驚いた。少ししてボールが映像と気付いたけど、ボールを投げ始める位置は人間と合わせないと行けないので、難しい演出。

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第4章:説法パート

思わずタイトルに「説法」と書いてしまったが、歌の合間にIAが愛と平和と調和を説く様子は、教祖や僧侶が説法をしているかのようだった。

自分は話を聞きながら、IAの白いワンピース衣装を見ていた。肩紐が片方しかなかったり体の線が見えるのが気になったり、髪のおさげが揺れずに肩紐のあたりに固定されてるのが気になったりしていた。

曲の終盤には、多くの共演者がステージに上がり、キッズダンサーも通路まで出てきて、大団円な雰囲気に。Makuakeのクラウドファンディングで出資した人もステージに上がって、IAの後ろで手を振ったりしてた。

観客に隣の人と手を繋いで、その手を上げて曲に合わせて揺らすようIAからお願いされて、多くの人がそれに従って繋いだ手を揺らしていた。

一度、映像演出で幕が閉まり、再び幕が開くと、IAやONE、バックダンサーなど出演者が全員ステージに登場して、カーテンコールが始まる。観客の大きな拍手の中、公演が終わった。

 

全体の感想

存在感のあるIAちゃんとONEちゃんのステージが楽しかった。もっとこのステージを長く見ていたかったというのが、公演後の感想でした。特にライブパートが楽しくて、観客と一緒に盛り上がれて良かった。

人間のダンサーとの共演や演出で、ボカロを知らない人でも楽しめるくらいにエンターテインメント性も高かったと思います。

今回の公演は、以前からライブ「PARTY A GO-GO」(PAGG)でやってきた事の延長線であり、公式が今までやりたかった事が DMM VR THEATER で初めて実現できたんじゃないかなと想像してる。最初のライブの頃から、IAとダンサーと共演する演出は多くあった。

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「We gotta run」のステージが顕著だけど、IAを中心に、ダンサー2人とボーカル2人が左右に広がるフォーメーションはその真骨頂。でも、立てた透過スクリーンへの投影だと、IAの前に人が立たなければいけなかったり、人に当てる照明も投影の邪魔にならないように当てるなど、物理的な制約があった。

しかし DMM VR THEATERでは、IAの横や後ろにダンサーの配置ができるようになったことで、これまでのボカロのライブには無い奥行きのあるステージを作る事ができた。これに匹敵するのは、初音ミク×鼓童スペシャルライブで、初音ミクの前に鼓童メンバーが何人も配置されたステージくらいじゃないかな。

映像的にも、これまで透過スクリーンに演出映像を加えていたことはあったけど、今回は奥の背景にも映像を投影できるので、これもまた奥行きのあるステージを作るのに貢献していた。さらにサイドのスクリーンや、建物の横の壁への照明演出も合わせると、空間的な演出もパワーアップしていた。

大勢のダンサーとの共演、奥行きのあるステージ演出など、今回のARIA公演でIAのライブが1つ進化を遂げた気がしています。

 

本公演で少し残念だなと思う点は、日本のボカロPが最近作った楽曲が少なかった事。新曲はほとんどIA/04のための書き下ろし曲で、それ以外の新曲はout of serviceさん作曲の「ホロンボット」くらい。石風呂さんの「てるみい」は前回やりましたし。

IAやONEを使った曲は、今でも多くネットに投稿されており、私も好きな曲はいくつもあります。その中から何曲かピックアップされて、公式IA&ONEコンピCDに収録されたり、ライブ公演で演奏されたら嬉しいです。

 

www.makuake.com

ARIA公演前に行われたMakuakeでのクラウドファンディングでは、「成長と変化を続けるショー」として公演を続けながら様々な進化を遂げると書かれていました。今後も、今回のステージ構成をベースに、新しい取り組みやコンテンツを追加していくのでしょう。

ワールドツアーをうたうARIA公演は、次は6月にアメリカ・ヒューストンでの公演が予定されています。きっと、それ以外の海外公演もいくつか行われるのでしょう。そして、また数年後くらい(?)に日本で再演するときには、さらにコンテンツが拡充された公演を期待しています。

 

セットリスト

第1章:ミュージカルパート
01. Have Fun!
02. One Heart

第2章:ライブパート
03. Conqueror
04. 絶対領域
05. ホロンボット
06. Reload
07. 夜咄ディセイブ
08. 憧憬~DOUKEI~
09. ロスタイムメモリー
10. チルドレンレコード
11. てるみい

第3章:惑星ARIAパート
12. Resonance World
13. The Eternity And More
14. HIGHER

第4章:説法パート
15. ARIA ON THE PLANETES~Best wishes for you~

 

※セットリストは、下記の記事を参照していますが、自分の感想と解釈に合わせて、章構成を少し変更しています。

natalie.mu