日替わり NAT’s Champloo

音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

音楽会「冨田勲という宇宙」に行ってきた

www.einsatz.co.jp

冨田勲作品をオーケストラの生演奏やサラウンドサウンドで聞けて、初音ミクソリストとして出演する「イーハトーヴ交響曲」も一部演奏すると聞いて、行ってきました。

f:id:NAT:20190907013404j:plain

会場のウェスタ川越は、横浜からだと案外遠く、仕事を定時退社して移動開始して約1時間半、開演時間前5分前に到着。

席は、チケットが取れたので、SS席(スーパー・サラウンド席)。1階の中央付近の席で、音響的にもステージの見え方も良い位置。同じ列の4人が顔馴染みのミクファンだったのには笑ったけど。

 

第一部は、オーケストラと合唱による生演奏。「きょうの料理」テーマ曲が生演奏で聴けるという貴重な機会があったり、NHK大河ドラマのテーマ曲が聴けたりした。

大河ドラマにはそれほど思い入れは無いのだけど、「勝海舟」テーマは、ピアノから始まるお洒落な入りと、その後の勇壮な音と展開がカッコ良かった。

大河ドラマのテーマ曲は、オーケストラには珍しい琵琶や琴、笛も入って面白い。演奏後の指揮者・河合尚市さんのMCによると、その演奏者も冨田さんゆかりある人達だったそうです。「徳川家康」は、シンセの音も合わせて演奏してた。誰かが音を合わせて再生してたのだろうか。

リボンの騎士」は、「イーハトーヴ交響曲」演奏会で何度も聴いたこともあり、ミクさんの歌声や姿があるような気がした(笑)。実際には少年少女合唱団の数人が歌ってましたが。

 

第二部は、トミタ・サウンドと生演奏の邂逅と題して、マルチチャンネルサラウンドによる音響と、生演奏の共演があった。

組曲「惑星」より「火星」の冒頭を冨田さんのシンセサウンドで聞いたあと、生オーケストラで続けて演奏するとか、面白い流れを作っていた。「火星」を生オーケストラで聞いたのは、もしかしたら初めてかも。オーケストラでも、勇壮でカッコいい音だった。

その後も、「水星」「木星」「月の光」「卵の殻をつけたひなの踊り」を、サラウンド音響で聞く。正面や周りのホールの壁から音が聞こえるような、不思議な音の空間でした。

公演後に確認しましたが、こんな感じの360度無指向性スピーカーが観客席の横や後ろに配置されており、ここから壁沿いに音が広がる仕組みのようでした。

f:id:NAT:20190907015111j:plain

 

鳳来寺山ブッポウソウ」では、観客席2階に合唱団を置いて、観客席の前と後ろからコーラスが掛け合うという面白い音の空間を作っていた。指揮者の河合さんが時々後ろを振り返って、2階席の合唱団に指示を出す珍しい光景も。

尚市さんの解説によると、もともとNHKのTV番組で山の頂上と麓に合唱団を置いて演奏したのを、今回こういう形で演奏したとの事。

そして、お待ちかねの「イーハトーヴ交響曲」は、「銀河鉄道の夜」「雨にも負けず」「岩手山の大鷲〈種山ヶ原の牧歌〉」の3曲を演奏。初音ミクは、姿の出演は無く、歌声のみの出演でした。それでも、「銀河鉄道の夜」ではステージ右のスピーカーから歌声が聞こえ、そこに立って歌ってるかのようでしたし、「岩手山の大鷲」では正面に立って(?)人間の合唱団と一緒に歌っているように聞こえた。そんな風に、位置を意識したミクさんの歌声の出し方は良かった。

初音ミクの歌唱パートは、はっきり見たわけでは無いし説明があった訳ではないけれど、誰かがタイミング合わせて再生させる仕組みだったみたい。ちょっとタイミングがずれてた印象もあった。そろそろ人力じゃなくて、AIとかに音を合わせさせた方が良いのかも。人の演奏にAIが演奏を合わせる技術も出てきたようだし。

岩手山の大鷲」では、合唱団と一緒の方向からミクさんの歌声が、タイミングが合って聞こえてきたのは良かった。ミクさんの歌声が合唱団の歌声と良い感じに混じり合ってた。

最後にアンコールで「青い地球は誰のもの」を演奏して終了。

 

良い音楽と音を聞かせてもらった演奏会でした。そして、今なお色褪せない、冨田さんの偉大な音楽の素晴らしさを改めて感じました。