日替わり NAT’s Champloo

音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

初音ミクLA公演が終わって思った事

以降、初音ミクが発売された当初から、ボカロ曲を聞き続け、VOCALOID界隈を追い続けた自分の、個人的な思いを徒然と書きます。初音ミクがLA公演を成功させた今日だから、書いておきたい事。以下、長文になります。
セットリスト最後の「ハジメテノオト」は、比喩でなく、本当に泣きながら見ていた。今から3年9ヶ月ほど前、VOCALOID初音ミクが発売された直後に発表された歌の中でも、私が心動かされた歌の1つ。その歌が、今、海の向こうで初音ミクが歌っている。ここに来るまでの、初音ミク、またはVOCALOID界隈のムーブメントを追いかけてきた自分にとって、この出来事は感慨深い事だった。

このステージは、初音ミクVOCALOIDに関わる様々な人達によって作られた創作の集大成であると思っている。初音ミクの声は声優の藤田咲によって作られ、キャラクターは絵師のKEIによって描かれ、クリプトンがそれをVOCALOID製品として販売した。曲や初音ミクの歌唱データはボカロPが作り、絵師や動画師などによる様々な動画作品も作られる。これらの創作活動は、ボカロ曲を愛好する人達の作品へのコメントなどの応援に支えられている。他にも、独自にランキング動画や情報まとめサイトを作る支援活動もある。こういった一連の創作活動や支援活動を含むVOCALOIDムーブメントの盛り上がりが、今日の公演に繋がったものだと思う。今日の公演のステージも、ボカロPによって作られた曲と、The 39'sによるアレンジと演奏、SEGAによる3D映像、PIAPROで募集された初音ミクの衣装など、様々な創作や人達によって作られている。

最初は、ニコニコ動画の一部で盛り上がっていたコンテンツだったかもしれない。それがニコ動を代表するコンテンツとなり、メジャーレーベルからCDが発売されるようになり、曲がネット配信されたり、ゲームなどの関連商品も発売されたり、同人即売会やライブなどのイベントも盛り上がるようになった。その中で、素晴らしいボカロ曲がいくつも発表されてきた。また、そのムーブメントの中では、偏見や誤解から生まれた悲しい出来事もあったりする。
そういった、ここに来るまでの物語を思いながら「ハジメテノオト」を聞いていると、その歌声を冷静に聞いていられなくなる。その歌声は、発表された約4年前と変わらない。でもその歌声は、はるか海を越えたロサンジェルスで流れて、現地のファンが歓声を上げている。それを、インターネット越しに生中継で見ている自分がいる。ああ、こんなところまで来たのかと感慨深く思い、胸が熱くなる。

そして、まだこれは第一歩でしかないと、さらに夢を見ている自分もいる。次は、日本での凱旋公演や全国ツアー、ロサンゼルス以外の海外公演があるんじゃないかと、期待している。

でも、今後もこのようなライブが継続していくには、課題も感じる。今回のようなライブができるのは、今のところクリプトンとSEGAを中心とした今回のチームだけという状況で、この状況には不安も感じる。クリプトン以外から出ているVOCALOID製品のキャラクターは、今のところ出演しないし、3D映像もSEGAでないと作成できない。他の企業なりアマチュア団体なりが、ミクの日感謝祭のようなライブができる状況になって、お互いに切磋琢磨する状況にならないと、今後の発展もどこかで止まってしまうのではないかと不安を感じる。今回のチームだけに期待が集中して、どこかで息切れしてしまうのではないか、という不安もある。

ただ、このVOCALOID界隈のムーブメントに関わる人達は多い。ミクの日感謝祭みたいなライブを、自分達でも作ろうという人達が現れる可能性もある。そういった人達が現れることを期待したい。

そんな事を思いつつ、今後もVOCALOID界隈のムーブメントを追い続けたいと思う。また素晴らしいステージや作品に出会えることを願って。