和太鼓芸能集団「鼓童」と初音ミクのコラボライブ、2017年と2018年に開催され、大好評だったライブ。2020年にも開催予定だったがコロナ禍で中止となってしまった。そのライブがついに開催される事になった。
2017年も2018年も素晴らしいライブだったので、もちろん今回も行ってきた。そして、期待以上に素晴らしいライブだった。
私は、2日間3公演の全公演を見た。初演の開演前から、会場の観客は異常な盛り上がりだった。
まもなく開演の場内アナウンスで歓声が上がり、開演前のBGMで手拍子が始まり、始まる前から観客の期待や熱気がすごかった。
開演
オープニングで鼓童やバンドメンバーが登場し、1曲目が始まる。1曲目はテーマ曲「NEPPUU〜熱風〜」。これは予想できた展開だけど、最初から熱い。
2曲目は「Sweet Devil」。え、その曲が来るの?EDM系のこの曲を鼓童とやりますか。でも、ダンスミュージックと和太鼓は相性が良い。太鼓のビートに体を揺らしてた。
3曲目は「ヒバナ」。今度はロックで来たが、これまた熱い。
続いて「太陽系デスコ」。再びダンサブルなナンバー。これはコールも楽しい。
ここで鼓童の演奏パート。三味線に男性メンバーが吟じるように歌う。と思ったら、前口上が始まった。「NHKホールに帰ってきた」との言葉に、観客も大きな歓声で答える。「命燃やし尽くしてくれますか?」にも、観客は大きな歓声。「命燃やし尽くしましょう!」と口上を締める。
そのまま歌が始まるのだけど、これは太鼓を叩く事を歌った民謡的な歌だったが、途中からミクさんが浴衣姿で登場して、一緒に歌う。人間とボカロが一緒に歌うのが素敵。
鼓童の楽曲「巴」では、3人の男性メンバーが大太鼓を叩く迫力のある演奏。太鼓の音に合わせて、観客が拍手で盛り上げる。
再びボカロ曲に戻り始まるは「祭りだヘイカモン」。今回のセットリストで一番嬉しかった曲の1つ。これを和太鼓でやるのは合いすぎて楽しい。自分も熱狂してた。
複数のバーチャルシンガーが登場するパート
「どりーみんチュチュ」は、ルカ・ミク・リンが登場するマジミラ仕様。太鼓を抱えながら動く太鼓隊の3人も、曲に合わせてステップを踏んだり、くるっと回ったり、ルカミクリンの動きに合わせてステージを左右に動いたりして、曲のように可愛くて楽しかった。
「大江戸ジュリアナイト」も、和太鼓が合いすぎる曲。これも熱狂しながら楽しんでた。
「Amazing Dolce」で、MEIKO・リン・レンが登場。これもノリが良くて楽しい。
歌を聞かせるパート
複数人が登場する楽曲が続いたあとは、歌を聞かせる曲が続いた。「glow」は、ミクさんの歌唱に、バンド無しで、鼓童の演奏のみというアレンジ。笛の音色が美しく、ゆったりと叩かれる太鼓の音。素敵な演奏だった。
「僕が夢を捨てて大人になるまで」はバンド中心のアレンジ。これは歌詞が上のLEDスクリーンに表示され、歌詞の言葉が心に来る。
鏡音のターン
続いて鼓童メンバーとバンドメンバーを紹介するパート。メンバーの名前がスクリーンに表示され、各メンバーがソロ演奏。演奏が最高潮に盛り上がって始まるは「劣等上等」。ここから鏡音のターン。
みんな待ってた「リモコン」に、コールが楽しい「いーあるふぁんくらぶ」。鏡音曲が3曲続いた。
終盤
鼓童の楽曲「巡」では、鼓童メンバーの踊りを踊るミクさんも登場。鼓童側に寄せたコラボが目立つのも、今回のライブの特徴。コラボが以前より進化してる。
「ワールドイズマイン」では、太鼓隊を前に侍らす「世界で一番お姫さま」が見られた。
そして次が、今回最大のサプライズ「グリーンライツ・セレナーデ」。マジカルミライのテーマ曲が来るとは予想しなかったし、マジカルミライ2018の衣装を着たミクさんが登場するのは嬉しい驚き。曲も衣装も好きな私は、熱狂するしか無かった。
早いビートの曲だけど、それに合わせた太鼓連打が音の厚みと疾走感を増して、大変カッコいい。「なんてね 言ってみただけ」のところ、大太鼓ひたすら連打するところ、とても好き。
前の曲の興奮が落ち着かないまま、「LAST SONG」とスクリーンに映る。ここまで休む間も無かったけど、あっと言う間の感覚で、もう最後の曲なのかと思った。
曲は「Tell Yor World」。聞き慣れた曲ではあるけど、和太鼓の音でビートが強調され、体を揺らしたくなる。
アンコール
最後の曲のあと、当然観客はアンコール。「ミーク!鼓童!」と両方の名前をコールしてのアンコールなのが良かった。
アンコール2曲目は「千本桜」。前回も良かった曲。ミクさんが大太鼓を楽しそうに叩くのが可愛い。
アンコール2曲目は「blessing」。ピアプロキャラクターズ6名全員が歌う曲。この曲も嬉しいけど、NHKホールに6名全員一緒に歌っているという事実に感激してしまう。ミクさんたちの振り付けを観客みんなが真似するのが素敵。鼓童メンバーも真似している人がいた。
そして最後の曲は「Hand in Hand」。最初の手拍子の音は、鼓童メンバーがそれぞれの楽器で叩いてたのが素敵。和太鼓の音のビートに合わせて、私は飛び跳ねてました。
最後に、鼓童メンバーとバンドメンバー、そしてミクさんがステージ上で観客にお礼をして終演。千穐楽公演では、ミクさんが「一丁締め」の掛け声をして、ステージも観客も手を打った。ミクさんの「気を付けて帰ってね」という、マジミラ2013を思い出すお別れの挨拶で、このライブは終わったのでした。
終演後
終演後のBGMがテーマ曲「NEPPUU〜熱風〜」のオフボーカル音源で、興奮が醒めない観客がペンライト振ってしばらくコールしていた。観客がこのライブでどれだけ盛り上がったのか分かる光景だった。自分もしばらくそれに加わってた。観客の間での三本締めもありました。
ライブ全体の感想
いつもの初音ミクたちやバンドメンバーのライブに、「鼓童」の素晴らしいパフォーマンス、そして熱狂的に盛り上げる観客が組み合わさり、テーマ曲のとおり熱風を感じたライブでした。素晴らしかったし盛り上がったし楽しかった。
アレンジ面で語ると、EDM系のダンサブルな曲は、太鼓が加わると、体を揺らしたり、飛び跳ねたくなるので、とても楽しい。そう気付いてから、そういう曲はずっと飛び跳ねてた。マジミラでお馴染みの曲もいつもと違う楽しみ方ができた。体力は削られたが楽しかった。
「グリーンライツ・セレナーデ」や「千本桜」のようにスピード感のある曲は、そのビートを強調する太鼓の音が加わると、音の厚みと疾走感が加わって、さらにカッコよくなる。こういう演奏を聞くと興奮する。
どの曲でも言えるけど、大太鼓はオーケストラヒットみたいな役割。EDM系でもロック系でも、リズムが強調されて、大変楽しい。
この「初音ミク×鼓童スペシャルライブ」は、今回が最後の締めくくりだと公式からは告知されている。こんなに素晴らしく楽しいコラボライブが、これで終わりとは大変残念。アンケートに次回希望という思いを書くしかないようだ。
また、この素敵なコラボライブが開催されますように。