日替わり NAT’s Champloo

音楽やライブ(HM/HRやボカロなど)、旅行など、ごちゃっとした日記

マジカルミライ2015の初音ミク武道館公演に行ってきた

マジカルミライ 2015 | 初音ミクの創作文化を発信するイベント!
マジカルミライ2015で、初音ミク日本武道館でライブを実施した。初音ミクが誕生してから8年。日本のミュージシャンにとって特別なコンサート会場であり、THE BEATLESDEEP PURPLEQUEENJUDAS PRIESTなど海外の有名バンドが来日公演で使ったことのある、あの日本武道館で、ヴァーチャルな存在である初音ミクのライブが実現してしまったのだ。8年前から初音ミクを追っている初音ミクファンとして、行かないわけにはいかなかった。

公演を見る前は、日本武道館でのライブというだけで十分満足するはずだったが、日本武道館という特別な場所でのライブに相応しいセットリストと演出、観客の盛り上がりに、それ以上に楽しんだライブでした。
自分は、全3回の公演のうち、9/4(金)の夜公演と、9/5(土)の昼公演の2公演を見ました。

入場

9/4(金)の夜公演は、スタンドの2階席のS席だった。南東側の、手すりから3番目くらいの席。高い位置だけど、ステージまではそれほど遠くなく、ステージとアリーナ全体が見渡せた。
自分の席に座る。武道館である。自分にとっては、JUDAS PRIESTのEPITAPH TOURを見に来て以来、2回目の武道館。特別なコンサート会場である日本武道館に、初音ミクを投影する透過スクリーンが設置されている。
天井の中央から大きな日の丸の旗が掲げられ、そこから目線を下げるとステージがあり、ステージ中央に横に長い透過スクリーン。その奥の上方には、映像が投影されるであろう白いスクリーン。左右には照明が設置された背の高い足場。縦に積まれたスピーカーが天井から吊り下げられている。ステージの左側にはドラムとベース、ギター。右側には、キーボードとギター。ステージの透過スクリーンの前にはミラーボールが一つ。左右にも一つずつ。ステージ中央の上方にも一つ。さらに左右の高い位置にも一つずつ。合計、ミラーボール6つ。

オープニング

ライブのオープニングで、空中を漂う緑の光が、高い所にあるスクリーンに映り、ステージ左右にあるパネル状のLED照明に映り、スポットライトで武道館の天井をぐるりと回る演出があった。それは、武道館にやって来たミクさんが飛び回っているかのようだった。
そしてオープニングはTell Your Worldである。Google ChromeのCMに使われ、かつてミクの日大感謝祭のオープニングにも使われた、初音ミクをテーマにした歌詞を持つ、初音ミクを代表する曲の1つである。武道館公演のオープニングにふさわしい曲であった。

ロストワンの号哭

Tell Your Worldの後は、新しい曲が続き、マジカルミライらしい流れだなと思ってたところ、「ロストワンの号哭」が始まる。
ギターを持って登場した鏡音リンが、いきなりギターをステージに叩きつけて破壊、マイクスタンドを後ろに投げ飛ばす。荒ぶるリンちゃんのパフォーマンスに、自分の中の何かのスイッチが入り、テンションが一気に上がった。ペンライトを持った拳を全力で振り上げた。

ギターソロ

今回のバンドメンバーはギター2人のツインギターで、ステージ右側にいたのが寺前甲さん。個人的には、寺前さんのギターソロも聴き所だった。
なかでも「スノーマン」のギターソロが印象に残った。KAITOの歌声に重ねてのエモーショナルなギターも良かったなあ。
あまり音響が良くなく、ギターが聞こえにくい所があったのが残念だったが。

深海少女〜Sweet Devil〜二次元ドリームフィーバー〜キャットフード〜アンハッピリフレイン〜ロミオとシンデレラ

この6曲は、中盤の山場であった。マジカルミライでお馴染みの人気曲で、ミクさんの衣装が1曲毎に切り替わる。
「深海少女」では、照明演出と観客のペンライトで武道館が青一色に。ツインギターが響く「Sweet Devil」「二次元ドリームフィーバー」「キャットフード」で盛り上がり。そして「アンハッピーリフレイン」で自分のテンションは最高潮に。中でもこの曲の演奏は、ベースがブンブン唸り、ツインギターがかき鳴らされ、個人的には一番のお気に入り。ペンライトを持った拳を全力で振り上げてました。
「ロミオとシンデレラ」は、まるでお城のテラスでミクさんが歌っているかのような照明演出と映像が素晴らしかった。

packaged

「この世界のメロディー わたしの歌声 届いているかな 響いているかな♪」
この歌詞が日本武道館に流れた時、初音ミクが登場した2007年当時に描いた夢が、1つ実現した。
D

愛Dee

この曲のリズムは、ブラックミュージックのリズムだったのが印象的。ペンライトを振るより、体全体を揺らしながら楽しんでた。
巡音ルカのDJプレイやラップ、ミクさんとルカさんのハイタッチも、見どころであった。

ワールドイズマイン

武道館で初音ミクに「世界で一番お姫さま」と歌わせる。セットリストを決めた人は、これをやるために、この曲を選んだ気がしてならない。良い選曲である(笑

ハジメテノオト

アンコール後の最後の曲は「ハジメテノオト」。後ろのスクリーンに歌詞が映り、これは歌って欲しいという意図だと気付いた観客が、歌い始める。自分も一緒に歌い始めた。
初音ミクが誕生した2007年にニコニコ動画に投稿され、2010年のミクの日感謝祭で演奏され、2011年にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたMIKUNOPOLISで演奏された歌。ネットの上で初音ミクが歌い、日本のステージだけでなくアメリカでも初音ミクが歌った歌。そして、ここ日本武道館でも歌っている。
ハジメテノオトのまま変わらずに、年が過ぎても、世界のどこでも、初音ミクはこの歌を歌う。「ハジメテノウタ」は、そんな歌詞の歌である。今、目の前で歌っている初音ミクは、あの時と変わらずに歌っている。変わっているのは、初音ミクを取り巻く環境であり、自分である。
そんな事に気付いたら、自分が歌っている声が、嗚咽に近いものになり、うまく歌う事ができなかった。

武道館公演のために入れられた3曲

今回のマジカルミライの新曲のうち3曲「Packaged」「ワールドイズマイン」「ハジメテノオト」は、日本武道館の公演だからこそ入れた曲だと思っている。新曲と言っても、今回の他の新曲とは違い、2007年〜2008年に発表された初音ミク初期の代表曲である。
この3曲の有り無しで、今回のセットリストはかなり印象が変わったと思う。もしこの3曲が無ければ、今回のセットリストは、昨年や一昨年のマジカルミライのセットリストとあまり変わらない印象を受けると思う。この3曲を入れただけで、初音ミクの武道館公演という節目にふさわしいセットリストになったと感じた。特に、初音ミクの初期から追っていたファンにとってはそうだと思う。
たった3曲、されど3曲である。

アリーナから見たステージ

9/5(土)の昼公演は、アリーナ席の後ろの方の席であった。ステージまでは遠かったが、前日のスタンド席からとは違った視点でステージが楽しめた。ライト演出が目の前一杯に広がり、頭上をレーザー光が走るのは、スタンド席とは違った光景であった。
音響も、スタンドよりはアリーナの方が良かったように思えた。

武道館公演音漏れ

9/5(土)夜の最終公演は、サイエンスホールのステージイベント「KARENT x Lowland Jazz」を見る事もあり、チケットを持っていませんでした。しかし、武道館はその構造上、ライブ公演の音が外に漏れやすいという話を知っていたので、Lowland Jazzのステージの後、武道館の入口近くまで移動しました。
武道館に着くと、ちょうど「愛Dee」が演奏しているのが聞こえました。入口近くには、外に漏れる音を聞きながらペンライトを振るファン達がちらほら。私は少し離れた所で、1人控えめにペンライトを振りながら、外まで漏れ聞こえる演奏を楽しんでたのですが、いつの間にか周りに人が集まり始め、最後には5名くらいのグループになってペンライトを振ってました(笑
なかでも「packaged」の演奏で、「この世界のメロディー わたしの歌声 届いているかな 響いているかな」と初音ミクが歌うのが聞こえたとき、ちょっと感慨深くなった。日本武道館の外まで、初音ミクの歌声が届いて、響いていた事は忘れられないと思う。