高田夜サクラ ミクライブ! 〜夜桜四千本の地で〜
2015年4月11日新潟県上越市高田で開催された新潟初のファンメイド初音ミクライブに行ってきました。
ファンメイドと言えど、製作スタッフは「富士山ミクライブ!〜1合目〜」や第01回世界ボーカロイド大会の「富士山ミクライブ!〜ボカコン出張編〜」と同じで、初音ミクを投影する方式はディラッドスクリーンを使った公式初音ミクライブと同様のもの。富士山ミクライブの評判などからも、これはクオリティの高いものになると思い、今年3月に開通した北陸新幹線に乗って遠征してきました。
開演まで
高田は、日本三大夜桜の1つに挙げられる高田公園のある街。ちょうどこの日も高田城百万人観桜会の期間中で、園内はたくさんの花見客と屋台が並んでいました。この日は、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」の編隊飛行も予定されていたのですが、天候不良のために中止でした。中止の報にがっかりしつつ、曇り空のもとでしたが、自宅周辺では既に終わってしまった桜を楽しむ事が出来ました。
今回の「高田夜サクラ ミクライブ!」は、この日に開催された「城下町高田・本町 春フェスタ」の会場である高田本町商店街の一画、商店街の中にあるスペースで行われた。
城下町高田・本町 春フェスタでは、痛車祭りというイベントもやっており、普通の商店街の中に痛車が並ぶという、ちょっと変わった光景も見られました。その中には初音ミクの痛車もありました。
開演直前
開演18:30の30分前に会場にやってくると、昼間はなかった人混み。
どうやら地元アイドルの女性グループのステージで人が集まっているようでした。終わったら人が入れ替わると思って、そのステージが終わった時に、ステージ近くまで移動しようとしたが、思ったより人が動かない。どうやら、ミクライブ目当ての観客も多いようだ。
その後も人が集まり続け、最終的には1000人は集まったそうだ(後日のTwitter公式アカウントでのアナウンスより)。ステージ周辺のスペースだけでは人が入らず、歩行者天国になっている道路まで人があふれ、道路の反対側の店舗側まで届いた。
自分はステージ近くの前の方に居たが、周りには中高生くらい若い男子・女子が多く、おそらく地元の子達だと思われた。こんなに人が集まるとは思わなかった。
開演
予定より少し開演が遅れ、待ちきれない観客からミクコールが起きたりしつつ、「千本桜」からステージが始まった。赤い着物を来たミクさんが登場し、観客が沸く。MMDのモーションとモデル(あぴミク)を使った映像を、ディラッドボード(透過スクリーン)に投影する方式。初音ミクの映像は鮮明に映る。その左右には、キーボードとギターの役のバックバンド(実はあてぶりで演奏していないらしい)。
自分の周りには、曲に合わせたコールを叫ぶコアなミクファンもいたけど、地元の子達だと思われる中高生がペンライトを振ったり、手元のスマフォでステージ撮ったりしてた。左隣には父親と息子の2人連れもいて、お父さんはカメラでステージを撮影してた。あきらかに、たまたま居合わせた人ではなく、このミクさんのライブを見に来た人達。
目の前で振られるペンライトの波の間から、初音ミクのステージを見る。新潟高田という地方都市で開催されたファンメイドのミニライブだけど、公式のミクライブとは違わない光景と盛り上がり。これは凄い事だし、初音ミクを追っていて自分が感心するのもそこである。公式では東京だけでなくインドネシアやアメリカなど海外のライブでもたくさんの観客を集め、今年の夏には武道館ライブも予定している。そんな初音ミクが地方のファンメイドのライブに登場し、そこでもたくさんの人達を集め、声援を受けている。どこにでも初音ミクがいて、どこにでも初音ミクを好きな人達がいるというのが凄いなあ、と。
「千本桜」の後は、ライブでは盛り上がる定番の「shake it!」。その次の「ぶれないアイで」は、公式ライブではまだやった事のない曲で、ちょっとした驚き。その後は「カゲロウデイズ」「ロミオとシンデレラ」と続く。「おじゃま虫」は歌もモーションも可愛いかった。「ODDS&ENDS」でジーンと来た。
ここまでの選曲とステージに十分満足していたが、最後の曲にサプライズが来た。「Tell Your World -piano.ver-」である。
ステージの前に、本物のキーボード(YAMAHA DX7)が置かれ、その後ろでミクさんがピアノを弾きながら歌った。もちろん、そのミクさんは映像なので実際には弾いてないのだが、そう見えるような映像であった。
たくさんの人が集まったライブステージでピアノを弾きながら歌うミクさんを見せてくれるMMD動画。この動画を見て、いつの日か技術が進んで、これが目の前で見られたら素敵だな…なんて思ったのが、8ヶ月ほど前。それが、こんなに早く実現してしまうとは…。このライブ一番の衝撃がこれであった。
しかもモデルのコロン式ミクも、そのTYWの衣装も、動画と全く同じ。自分としては、これが見られただけで、このライブに来た甲斐があった。このTYWピアノ弾き語りは、先の動画の作者であるmntyさんの協力で実現したとのこと(後日のTwitter公式アカウントでのツイートより)。
アンコールは「39」と「SPiCA」。「SPiCA」は、公式ライブでも最後の曲だったこともあり、「SPiCa砲」とファンの間で呼ばれるテープ射出演出があった。このテープ演出が、このミクライブでも再現されたのも、もう1つの驚き。
終演後
最後の曲が終わって、司会者から終演のアナウンス。大きな拍手が沸き起こった。そして、公式ミクライブではお馴染みの三本締めが、誰ともなく始まった。この三本締めで、約1時間、計10曲の濃密なライブが終わりました。
感想
「ミニライブ」と銘打ってますが、フルの初音ミクライブを楽しんだのと同じくらいの満足感と楽しさがありました。初音ミクの公式ライブでは定番の曲と、公式でもやっていない曲の、その両方が入り交じったセットリストに満足しました。
個人的には、コロン式ミクさんのTell Your Worldのピアノ弾き語りが見られたのが、一番の驚きであり、収穫でした。あのMMD動画とコロン式ミクさんがお気に入りの自分にとっては、それが目の前で見られた事が嬉しかった。
そして、そんな素敵なライブが公式でも無く、ファンメイドで作られた事、東京では無く新潟高田という地方都市で開催されたというのが、なんだか初音ミクらしくて良いなと思うのです。
このライブの制作スタッフは、来年も新潟高田でライブを開催するのか、今回の前にやった「富士山ミクライブ」をまた開催するのか、今後の活動はまだ分かりませんが、次があるならまたライブを見てみたいです。
セットリスト
- 千本桜
- shake it!
- ぶれないアイで
- カゲロウデイズ
- ロミオとシンデレラ
- おじゃま虫
- ODDS&ENDS
- Tell Your World -piano.ver-
(アンコール)
- 39
- SPiCa